一発書き

先日,電車を乗り継ぎ乗り継ぎ,老人ホームで暮らしている顔見知りのおじいさんにお会いしてきました.

おじいさんは私が3歳の頃から度々会っていましたが,足腰が弱ってからはこちらから訪問しています.直接会うのは久々でしたが,目も耳も衰えた感じはなく,車椅子生活を除けば卒寿も感じさせない元気さで一安心しました.

 

訪問して日も浅いうちに,おじいさんの息子さんからお礼のお手紙を頂きました.

拝啓に始まり,相手の名前は最後に書かれているところを見て,国語の教科書もそうなっていたなあと思い返したのですが,白紙の紙なのに縦列が曲がっておらず,段落がとても整っているのも,良い意味で教科書感を加速させているように感じました.

頂いたお手紙はゲルインキのペンで書かれているようで,もちろんのこと修正の跡は見られません.言うなれば一発書きですが,パソコンやスマホが普及したこのご時世,文章の手直しは当たり前です.この記事を書く間だって何回も推敲しました.もちろん,文章の最終的なクオリティを上げたり,執筆速度を上げたりと良い方向に働いていることが多いのでしょうが,執筆における緊張感も同時に下げてしまうのかな,とお返事の宛名書きをミスして封筒を一つボツにしながら思ったのでした.